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私のアクティブラーニング-アジサイと土のpH④これで最後-

こんにちはー。
暑いです。溶けそう。いや、むしろ溶けたい。それほどに暑い。

アジサイと土のpHについて色々と実験をしました。
結局、結論は出ないという・・・笑

1年のうち決まった時期にしかないものを調べるって難しいですね。
1年は365日あるのに、80歳まで生きるとしても”その時期”は80回しか来ない。

旬のモノを一緒に食べると親密度があがる

川端康成は

別れる男に、花の名前を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。

と書いたそう(『掌の小説』恥ずかしながら読んだことないですけど)。
こうやって考えると、季節を感じるのって大事だなーって思う。うん。

みたいなことを聞いたことがあります。

で、中途半端に実験をしたまま今シーズンはアジサイと土のpHについては休業!
今回は、アジサイの色の関連で、「白い生き物」について考えてみようと思います。

「酸性なら青っぽくなる、アルカリ性なら赤っぽくなる。
じゃあ、たまに見かける真っ白のアジサイって何なの?」

こんな疑問が生じませんか?生じない?まぁ、そんなこと言わずに、ね

結論から言うと「白いアジサイ」は色素を持っていないんです。

“白い色素を持っている”わけじゃなくて、”色素を持っていない”んですね。
アジサイに関しての文献が見つけられなかったので、白色のアジサイの詳細は述べることができませんが…

世の中の白い生物って”白い色素を持っている”わけじゃなくて、”色素を持っていない”ものがほとんど。
ん?”色素を持っていない”ってどういうことだ?

“色素を持っていない”って、色素を作れないんです。

材料aから色素Aを合成する経路について考えてみますかね。
a→a1→a2→A という経路があるとします。
ここで、色素を持っていないって、Aを合成出来ないということ。
Aを合成出来ないって、a→a1、a1→a2、a2→Aのどこかの反応が上手く行かなくて、
Aが出来ないってことなんです。
たこやきを作る時にたこじゃなくてわさびを入れると、たこやきじゃないものが出来ますよね。

ロシアンたこやき。

で、色素Aが出来ない結果、白くなる。

白くて赤い目のマウスやラット、ウサギもこういう理由で白い。
目が赤いのは、目でも色素が合成出来ないから血管の色が見えているから。

色素を合成するっていうのは、合成酵素っていう酵素が担っている役割で、
色素合成酵素が上手く働かないというのは酵素を司る遺伝子がちょっと変わっている。
○○遺伝子欠損症という病名を見たことがあるかもしれませんが、そういう病気も同様の機構です。

生命は遺伝子がベースになっていて、遺伝子レベルで話を切り込むと

ヒトとマウスもウサギとアジサイも考え方の大枠はそんなに変わらない。

生き物って奥が深いなぁーって思います。
アジサイの色の話にどんどんいろんなものがひも付けられていく。

アクティブラーニング。

知りたいと思う、調べたいと思う、そのきっかけってその辺に溢れてる気がするし、
一見教科書に関係が無さそうでも、どうにかしてこじつけることも出来ると思った今日この頃です。
こじつけるためには、ひろーい知識が必要ですけども!!

〈やま〉